こんにちは、いなです。
楽譜といえば五線譜が使われていますよね。
ピアノでも、オーケストラでもたくさん使われます。
ギターなどのタブ譜やドラム譜などは、それぞれの楽器に適した形になっていますがいずれも似たような形で表されています。
当たり前のようにルールを覚えて楽譜を読んでいますが、よく考えたらすごいことですよね。
複雑なようで、言語よりも圧倒的に簡単、幼い子供でも理解できるほどです。
音楽に国境はないと言われたりしますが、まさに世界共通語と言えます。
今でこそどんな音楽でも五線譜によって表すことができますが、これは先人たちが「ああでもない、こうでもない」と苦労してやっと完成された形です。
楽譜がなければ、音楽を正確に伝えることはできません。
現在の五線譜がどのような形からどのようにして発展して今の形になったのか、気になりませんか?
今回は、楽譜の歴史について見ていきたいと思います。
- 楽譜の歴史
楽譜の歴史

そもそも東洋での音楽は、その場で演奏されるような即興的なものが大半でした。
そのためそれを正確に人に伝えたり、楽譜にするというのはとても難しく、そんなに重要なことでもありませんでした。
そういった理由もあり、楽譜は世界各地でそれぞれ誕生し発展していきましたが、なかでも西洋の楽譜の歴史が現在と結びついています。
楽譜におこすというのは、音楽を忘れないようにするための方法です。
それまでは人が人に歌い教えて伝わってきたものが、楽譜におこすことで音楽を視覚的に表し後世に伝えられるようになりました。
最初はシンプルな記号
楽譜の歴史はとっても長く、最初の楽譜は9世紀ごろに誕生しました。
つまり、今から1000年以上前のことになります。
日本が奈良時代や平安時代だったころです。
最初の楽譜は、歌詞である文字の上にメロディーの動きを「ぐにゃぐにゃっ」と書いて表すものでした。
ただの文字と線だったんですね。
ネウマ譜の登場
そしてネウマ譜の登場です。
ネウマ譜とは「ネウマ」と呼ばれる記号を使って書かれた楽譜のことを言います。
ネウマは今だと音符の「たま」の部分のようなイメージです。
今の五線譜では、線と線の距離は3度ですね。
はじめはこの間隔が違っていたり、楽譜に色がついていたりしていました。
これが段々と簡単に、無駄を省いてわかりやすいように改善されていきます。
10世紀ごろには、五線譜の線と線の距離が3度の間隔になり、現在と同じようになりました。
12世紀後半から13世紀ごろになると、四角形のネウマを組み合わせてリズムを作る楽譜が生まれました。
教会の聖歌などが記譜されています。
13世紀以降は、4本の譜線と四角形のネウマで記譜され、見た感じは今とだいぶ近いような形になってきました。
計量記譜法による音価
しかしこのネウマ譜は、細かくリズムをあらわすことができていませんでした。
それだと、ひとりで歌うならまだしも、複数の人たちで合わせて歌うときには大変です。
そこで13世紀後半になると、それぞれの音符の長さを指定する方法が生み出されました。
音符の形が長さを示すような計量譜というものです。
三分割法や二分割法が生まれ、この2つが両立して使われるようになっていきます。
14世紀以降は、音符が四角形かひし形で統一されるようになりました。
15世紀中ごろまでは4分音符のような黒塗りの音符が使われていたので、それを黒符計量記譜法といいます。
その後、全音符や2分音符のような白抜きの音符が使われたので、それを白符計量記譜法といい、だんだんと記譜法の統一がされていって、現在の形により近いような形になっていきました。
印刷・出版
16世紀ごろに印刷技術が発達し、楽譜も印刷ができるようになり、楽譜の出版などが始まりました。
そうすると世界中に楽譜が広まり、このころに音楽の全盛期を迎えていたのがイタリアだったことが、楽譜にはイタリア語が使われることが多い理由の一つとなっています。
ピアノの祖先である鍵盤楽器も登場して音域も広く作曲できるようになり、記譜法が洗練されて今の形にほぼ近い楽譜となりました。
そして17世紀後半、バッハが生きていたころに、楽譜は完全に現在の形一致するようになりました。
まとめ
いかがでしたか?
楽譜は今の形になるまでにとても長い歴史がありました。
音楽の先人たちが作ってきた世界共通語を、皆さんもぜひマスターしてみてくださいね。