こんにちは、いなです。
ピアノを弾く上で、『トリル』は苦手意識が強い方が多いのではないでしょうか。
- 「速く弾けない」
- 「綺麗に弾けない」
- 「力が入ってしまう…」
こんな悩みを持つ方に、今回はトリルのお話をしようと思います。
結論を言うと、トリルは速く弾こうとしなくてもいいんです。
目から鱗!って方もいますでしょうか。
これだけだと少し語弊があるかもしれませんね。
でもこの考えは持っておいてほしいので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
- トリルの意味・由来
- 体験談
トリルの意味
実は、トリルが“速く弾くもの”という認識は少し違っています。
大前提としてトリルは『装飾音』であり、音を装飾する、つまり“綺麗に飾る”というものです。
意味としては“すばやく”とありますが、“自分の限界で弾かなければならない”という事ではありません。
トリルの由来
ピアノなどの打楽器は、音を鳴らしたら次第に消えてしまいますよね。
吹いて鳴らす楽器のように、自分の意思で伸ばせません。
ピアノのご先祖様は「チェンバロ」と呼ばれる楽器です。
このチェンバロは今のピアノよりも音がすぐ消えてしまいました。
でも音を伸ばしたい。
そこで、生まれたのが『トリル』です。
もともとは一つの音を伸ばすための目的だったんですね。
「ドーーー」と伸ばしたいから「ドレドレドレ」と弾いて「ド」が伸びているようにした、というわけです。
そこからだんだんと楽器も発展して、トリルは「装飾音」となりました。
このように、本来の目的は“音を伸ばすこと”だったと知れば、考え方も変わると思います。
そりゃめちゃくちゃ速く弾けたらかっこいいですが、そこで悩みすぎなくても大丈夫なんです。
「伸ばす」の体験談
その「伸ばす」ということについて、「なるほど…!」と思った私の過去の体験談をお話しします。
私は吹奏楽でティンパニーという楽器を演奏していたことがあります。
当時、トリル(同じ音の場合は『ロール』と言います)はできるだけ速く叩くものだと思っていましたし、ちょっと得意でしたので、「これでもか!」というほどにドコドコ叩いていました。
ですが、ある日臨時の打楽器講師の方に「“鳴らす”んだよ」と教わりました。
「音の“響きをつなげる”ように。速く叩きすぎると、むしろ打点で響きを潰してしまう。」と指導を受け、実際に叩いてみると、すぐ違いに気づけました。
打楽器、特にティンパニーなどの大きな太鼓類は、音が打点より遅く響いてきます。
私はその響きを、響くより前に打点で消してしまっていました。
正しいロールは、「ダダダダダ」ではなく、「ダアアアアア」という感じです。
それからは奏法を変えました。
以前よりも本当によく響いて、気持ちよく叩けたんです。
早くに教えてくださった先生には感謝しています。
太鼓類はよく響くのでこの事は大きく関係しますが、同じ打楽器のピアノにも考えられるのではないでしょうか。
考え方のヒントとして、参考にしてみてください。
まとめ
実際私もトリルに関して間違った捉え方をしていましたし、私の中ではそのことに気づけた一つの大きな経験でしたのでみなさんにもお伝えしたくこの記事を書きましたが…いかがでしたでしょうか。
過去の私のように、「トリルは力いっぱい速く叩くもの!」と思っていた方もいるかもしれません。
むしろ力を抜いて、音の粒をきれいに弾くのが良いです。
弾き方に関してはピアノの弾き方⑧トリルの記事を参考にしてみてくださいね。
私も、みなさんに少しでも役立つことをお伝えできるよう精進していきます。
今回は以上です。
参考になれば嬉しいです。