こんにちは!
「ゼロからピアノをはじめたい!」
という方に向けた<ピアノの弾き方レッスン>第6回です。
前回はペダルの踏み方についてお話ししました。
今回は、強弱をつけるときの弾き方について解説していきたいと思います。
強弱について書いていますが、ピアノの根本的な弾き方にもつながっています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
- 強弱について
- 強弱をつける時の弾き方
- 強弱をつける時の注意点
強弱について
音楽の表現の一つとして、強弱があります。
強弱記号のp(ピアノ)は弱く、f(フォルテ)は強くという意味ですが、ここで気を付けておきたいのが小さく・大きくではないということです。
<楽譜の読み方第10回>でも少し触れていますが、皆さんが勘違いしやすい典型的な例の一つです。
単純に音量の話ではないことを覚えておいてください。
基本的な強弱のつけ方
考えてみると、ピアノの強弱ってどのように弾けばつくのか、わからない方多いのではないでしょうか。
単に弱く・強くとか言われても、「強く…叩くの…?」みたいになりますよね。
ここで、を強弱をつける時のきちんとした弾き方とポイント解説します。
答えは、
鍵盤を打つ速さ
で強弱をつけます。
鍵盤を打つ“速さ”でつける
実は、強弱は鍵盤を打つ時の指の速度でつけます。
ピアノをやっている人でも、知らない人が多いのではないかと思います。
強い音を出すときは打つ速度を速く、弱い音を出すときは打つ速度を遅くします。
手の形は保ったまま(第1回で詳しく解説しています)、指の速さをコントロールします。
間違えやすいのは、力でつける弾き方です。
「フォルテならいっぱい力を入れて、ピアノならちょこっとだけ触って…」とかではありません。
関係しているのは速度です。
これを覚えていてください。
感覚でやっている人もいるかもしれませんが、気を付けてみると意外「そうなんだ…!となります。
ポイント
強弱をつけるときのポイントは以下の2つです。
- 芯をとらえること
- 弱音こそ集中する
順番に見ていきましょう。
①芯をとらえる
これは強弱をつける時だけではありませんが、意識するべきポイントをお話しします。
よくピアノで『タッチ』という言葉を使います。
タッチとは、打鍵(鍵盤をたたくこと)のことです。
定義としてはこのような意味ですが、打鍵の仕方や打鍵のときの感触などの意味合いでも使われたりします。
良いタッチは、音の芯をとらえています。
私はよくスポーツで例えますが、これも同じように考えられます。
例えば野球でもサッカーでもバレーボールでも、球を打つ時は、強い・弱いに関係なく、ボールの芯をとらえますね。
体も、軸はいつでもぶれないようにしっかりしていなければなりません。
芯をとらえていれば、力をそんなに込めなくても「ポーン」飛びますよね。
ピアノも、どんな音を鳴らすときも音の「芯」をとらえて打鍵します。
強弱には関係ありません。
「強く」だから力任せにバシバシ叩いたり、「弱く」だから浅いところだけペコペコ弾いたりはしません。
これを意識しておくだけで、どんな音でもきれいに弾けます。
②弱音こそ集中する
これも勘違いされがちですが、弱い音だからといって手を抜くのではありません。
むしろp(ピアノ)などの弱音は、実はとっても難しいんです。
上手い演奏は弱音で決まるとも言われるほどです。
先ほども出てきましたが、芯をとらえながら、弱く演奏する」というのが大変です。
指先に意識を集中して、緊張感を持って弾かなければなりません。
ものすごく神経を使います。
針に糸を通すようなイメージを持ちましょう。
練習量も必要です。
注意点
強弱をつける上で、いくつか注意点があります。
見ていきましょう。
①手首・腕の脱力
「緊張感をもって」と話しましたが、手首・腕にまで実際に緊張して固まってはいけません。
指先でコントロールすることを忘れずに、手首・腕は柔らかくしておきます。
②指のセット
フォルテなどの強い音を弾く上での注意点ですが、指はいつでも鍵盤の上にセットしてから弾きます。
離れた位置から叩くのではありません。
フォルテは力を込めて上の方から思いっきり叩く弾き方をしてしまいがちですが、乱暴に音を出してもホールには全然響かないものです。
きちんと準備して、しっかりとした芯のある音を目指しましょう。
そうするとミスタッチも減りますよ。
一石二鳥ですね。
まとめ
皆さんが想像する弾き方と少し違っていたかもしれませんね。
だって、よく見る演奏では、大きな音を出すときは大きく動いていたり、振りかぶったりしてますもんね。
でもよく見てみたら、振りかぶっているように見えるのは弾いた後だったりします。
また、実は背中の使い方や腕の動かし方で力の入り方が変わり、力強さなども変わってきます。
詳しくは第2回の<身体の使い方>でも解説しています。
更に見せ方によって視覚的に表現することもでき、これも一つの大事なテクニックです。
同じ音でも、身を縮めるようにして演奏すれば小さく聞こえたり、胸を張って大きく堂々と演奏すれば大きく聞こえたりします。
ですがそれは、上記のような基礎のテクニックを身につけてから行う応用です。
基本は、
- 鍵盤を打つ指の速さ
これに気を付けて強弱をつけてみてください。