「本番で緊張してしまうと、どうしても体が動かない」
「上手く力が抜けない、脱力が苦手」
「ピアノを弾いていると腕や体がすぐに疲れてしまう」
こういった方は、ピアノを弾く時に体に変な力が入ってしまっているのかもしれません。
今回は、本番前や練習の合間にやると効果的な体操をご紹介します。
体操と言ってもそんな特別なものではなく、体育の準備体操でやったような簡単なものなので誰でもできますよ。
場面・目的
まずは取り組むべき場面と、目的をお伝えします。
本番前、舞台裏で緊張してしまう時に
緊張するのは良い事なのですが、それによって身体が固まってしまい、演奏に悪い影響が出てしまうのは良くありません。
緊張しているときこそ、体を動かして温めましょう。
身体がほぐれると、落ち着いてリラックスできることも多いです。
もし、それだけじゃない、緊張の原因が他にあってなかなかうまくいかないという方は以下の記事も読んでみてください。
こちらの記事よりも少しマインドの部分に関わることがまとめてあります。
脱力したい、練習時の合間に
練習時、すぐに腕が痛くなったり、なんか体が疲れてしまうような感覚がある方は、脱力が上手くできていない可能性があります。
脱力、難しいですよね。
ピアノの演奏ではとっても大事なのですが、なかなか苦労するところです。
脱力は必要なところを動かして他は使わない、結果、脱力できているということになるので、ただ単にだらんだらんに力を抜いて弾くということではないんです。
練習前や合間にちょっとずつ体を動かしてみて、体を調整しながら演奏してみましょう。
体操
体操は以下のよう流れで行いましょう。
運動前の体操とほぼ同じですね。
この通りの順番でなくても、自分がリラックスできるように行ってください。
それではもう少し具体的にポイントなどを解説していきます。
深呼吸
まずは深呼吸です。
深呼吸で大切なのは、息をきちんと吐くことです。
緊張している状態で「落ち着いて落ち着いて…」と深呼吸しようと思うと、一生懸命息を吸ってしまいがちですが、これでは逆効果なので気を付けてくださいね。
きちんと吐くことを意識すると上手くリラックスできます。
深呼吸だけでも良いですが、体を使ってやるとより効果的です。
吸う時は腕を広げ上を向くようにして、体にたくさん空気を入れて胸を広げるイメージを持ちます。
吐く時はからだを元に戻し、完全に力を抜きましょう。
深く、ゆっくり行うのが大事です。
ストレッチ
からだの隅々まで伸ばしていくようにストレッチをしていきましょう。
上半身だけではなく、下半身もです。
ピアノは全身で弾くので、意外と下半身のストレッチもしておくと体がほぐれて良いですよ。
上半身は背伸びや前後屈を行いましょう。
手を組み両腕を上げて上半身を伸ばすように伸びをしたら、今度は後ろに腕をもっていって伸ばします。
背伸びの時、横に倒して体側を伸ばすのも良いです。
身体を前に倒して背中側を伸ばしたら、お腹側を伸ばすように後ろにそらせます。
下半身は屈伸、伸脚などでじっくり伸ばしましょう。
伸ばしたところは反対にも伸ばすのがコツです。
反動をつけずに行い、呼吸も忘れずにしてくださいね。
関節回し
肩、膝、腰、手首、足首をゆっくり、できるだけ大きく回します。
特に肩は身体の内側から大きく回すイメージで肩甲骨をしっかりと動かすようにしてください。
肩甲骨の可動域はすごく重要なので、肩に手をあてて、前後だけでなく横にも引っ張るようにするととても良いですよ。
ついでに首も回すと、肩回りの筋肉がほぐれて緊張がほどけます。
足踏み
その場で足踏みをします。
良い姿勢を保ちながら、腿を交互にできるだけ高く上げていきましょう。
腕も90度に曲げて、こぶしを胸の位置から腰の位置まで振るようにすると効果的です。
更にできる方はウォーキングするとしっかり身体をほぐせます。
静かな舞台裏ではなかなか難しいかもしれませんので、ここは無理のない範囲で行いましょう。
ジャンプ
軽い跳躍を何回か繰り返しましょう。
ポイントは脱力です。
全身の力を抜いて行うと、演奏でも上手く脱力ができるようになります。
無理ならかかとの上げ下げだけでも大丈夫です。
もっと本格的にやりたい方へ
上記では誰もがやったことのあるような簡単な体操でしたが、もっと脱力やピアノを弾く時の体の動きにつなげる本格的な体操が知りたいという方は、以下の『音が変わる!演奏が楽になる!ピアノ骨体操』という本を参考にしてみてください。
著者は数々の音楽家たちを育てている桐朋学園の先生とその生徒さんです。
実際に授業でも取り入れて続々と効果を発揮しているそうですよ。
長きにわたって研究された動きで、どれも簡単ですが本格的です。
悩んでいる方は是非一度見てみると良いですね。
まとめ
指先だけ動いているように見えるピアノでも、実は全身を使って演奏しているので体をほぐすことはとても大事です。
きっと音の違いが出てきますよ。