こんにちは!
「速度標語の速さの指定があいまいで、どのくらいで弾いたらいいのかわからない…」
「曲の速さが自分で思ってたのと全然違った…」
こういった方のために、今回はそれぞれの速度標語のBPMの目安について解説していきます。
メトロノーム記号だとどのくらいの速さなのかを具体的に見ていきましょう。
- 速度標語はBPMで表せるのか?
- 速度標語をBPMにした時の目安一覧
速度標語について
先に速度標語について少しお伝えします。
なぜ言葉で表しているのか
今でこそ、曲のテンポはメトロノーム記号(BPM)で表すのが主流ですが、クラシック音楽などの楽譜には速度標語が多く用いられていますね。
そもそも速度標語はなぜ言葉で表しているのかというと、メトロノームが存在しなかったため、作曲家は「こんな感じの速さで」というのを言葉で伝えるしかなかったからです。
メトロノームは1816年に発明され、特許を取得したメルツェルの友人であったベートーヴェンも使うようになり、その後、メトロノーム記号でより正確なテンポを伝えられるようになりました。
速度標語は、作曲家の曲に対する発想が演奏者に忠実に伝わるよう、意味を持った言葉で表されているものです。
メトロノーム記号がなくても、人の感覚を頼りに曲の性格や雰囲気なども伝えながらテンポを指示しています。
そのため様々な意見があり、メトロノーム記号を嫌う作曲家などもいましたが、やはり曲の速さを正確に伝えられるため今では多く用いられています。
速度標語はメトロノーム記号で表せる?
速度標語をBPMで表せるかというと、一応それぞれの目安はあります。
ですが、音楽が時代とともに変化するように、楽譜の書き方や、音程の感じ方、速度の感じ方も変化していきます。
「ゆっくり歩くような速度で」と言っても、その曲が書かれた時代での感覚と、現在での感覚では違ってきています。
国や社会なども関係しますし、曲によっても違うでしょう。
そのため、速度標語の目安は一概には言えず、正確にすべての速度標語の速さが順に並べられるわけでもありません。
楽典によってもさまざまです。
いろいろなところで見てみて、実際にメトロノームを鳴らしながら、速度標語の意味と自分の感じ方を知ってみるのがおすすめです。
次の項で載せる表にはすべての目安はありませんので、上の記事と意味やおおよその順番を照らし合わせながら感じてみてください。
BPMの目安一覧表
標語 | 読み方 | 目安 |
---|---|---|
Larghissimo Adagissimo | ラルギッシモ アダジッシモ | ♩= ~40 |
Grave | グラーヴェ | ♩= 40 |
Largo | ラルゴ | ♩= 48 |
Lento | レント | ♩= 52 |
Adagio | アダージョ | ♩= 56 |
Andante | アンダンテ | ♩= 72 |
Moderato | モデラート | ♩= 96 |
Allegretto | アレグレット | ♩= 108 |
Allegro | アレグロ | ♩= 120 |
Vivo | ヴィーヴォ | ♩= 132 |
Vivace | ヴィヴァーチェ | ♩= 160 |
Presto | プレスト | ♩= 184 |
Prestissimo | プレスティッシモ | ♩= 208 |
基準・覚え方
上の表からそれぞれ前後合計10くらいは振れ幅があってもおかしくはありません。
例えば「Andante(アンダンテ)」の「ゆっくり歩くような速さで」は♩=72となっていますが、もう少し遅い♩=66くらいで感じる方もいると思いますし、もっと遅い63とか、逆に76くらいでちょうどいいと感じる方もいるかと思います。
曲によってもフレーズの感じ方で変わってくることもあります。
身につけるコツとしては、行進曲のテンポ感が♩=120くらいと覚えておくと良いです。
♩=120なら1秒間に2回鳴る速度なのでちょっとしたときにも時計の秒針に合わせて感じられます。
これより遅いか速いかでだいたいのテンポ感をつかむことができるので便利ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
速度標語の意味とそのテンポを自分がどう感じるかを大切にしてみてくださいね。
今回は以上です。
参考になれば嬉しいです。