「どうしても本番になると緊張してしまう」
「本番に弱くて力が発揮できない」
「緊張するのが嫌で楽しめない」
本番に緊張はつきものですよね。
特にピアノは独奏が多いですし、伴奏や合奏、連弾にしてもそのピアノは自分だけの音であったり、ソロも多い楽器で、緊張してしまうことが多いです。
今回は緊張で頭が真っ白になったり、手が震えてしまう方へ向けて、お悩みを解決します。
実は私はとっても強がりで、緊張していないようにふるまっているけど実は心臓が飛び出そうという事も多々あります。(笑)
それでもいつも「本番に強いね!」と言われたり、実際本番で力を発揮することができるので、私がおこなっている緊張に勝つ練習方法や、マインドの部分もお伝えしようと思います。
大事なのは緊張をいい方向にもっていく事!
緊張してしまう人ほど緊張しない方法を必死に探すことが多いですが、大事なのは緊張しないことではなく、緊張を良い方向にもっていくことです。
緊張しない事がすごいとか良いとかでは決してありません。
むしろ緊張は本番の演奏に良い影響を与えてくれます。
演奏する側の緊張による高揚感や、聴く手側の緊張による期待は、ライブやコンサートなどの本番にしか味わえないものです。
緊張感のない演奏は引き込まれません。
緊張することも必要な時があります。
ただ、体が震えてしまったり、頭が真っ白になってしまったりと、悪い緊張もあります。
その対策をして、自分の緊張を良い方向へもっていくことが大切です。
悪い緊張に勝つ3つの方法
ピアノの本番で、ダメな緊張に勝つ方法を3つ紹介します。
それぞれもっと具体的に細かく解説していきます。
しっかりとした事前準備をする
これは誰もがしっかりと行える方法です。
ポイントは3つあります。
確かな練習量
悩んでいる方には、ものすごく緊張してしまい、いざ本番になって頭が真っ白、体が動かなくなってしまうこともあるかもしれません。
そういう方は、体が勝手に動くくらいに練習するのが1番の解決方法です。
頭が真っ白になってしまっても大丈夫なくらい、体に覚えこませてしまいます。
特に、曲の出だしがわからなくなってしまうとパニックになりやすくなっていまいますので気を付けましょう。
いつでもどこでも曲の冒頭部分だけは弾けるようにしておくようにすると、余裕が生まれます。
体調管理
もし咳が出るとか、頭が痛いとか、少しでも気になることがあると「うまくできないかもしれない」という緊張につながってしまう方もいます。
熱が出たとしても上手くいく人もいますが、そのせいで余計な緊張をして力が出せなかったら嫌ですよね。
本番直前だけではなく、余裕をもって数週間は自分の身体の管理をしましょう。
本番前日は、緊張して寝られないという方もいますが、「寝なきゃ!」と思うと逆にプレッシャーとなって全然寝付くことができないこともあります。
眠れないのを無理して眠ろうとすると逆に良くありません。
眠れないと思ったら目を閉じて一生懸命羊を数えるのではなく、
温かい飲み物を飲むとか、かかとをトントンするとか、リラックスしながら寝付ける方法を試してみるといい良いです。
また、本番前だからいっぱい寝ようとするのは良いのですが、寝すぎて頭がぼーっとしてしまったり、体が怠けてしまったりするのも良くありません。
たくさん寝るのではなく適度に寝ることを心掛けると、プレッシャーをかけずリラックスすることができます。
必要なものの用意
緊張してしまうと、体が震えてきたり、汗が出てしまったりします。
私もはじめのうちは、なんだか手が冷たくなって体もブルブルなってきて、「寒いのかな?」なんて思ったりしていましたが、本番が終わるとピタッと止まるので、緊張からなのかと気づきました。(笑)
また、私は手汗もすごくて、持っている楽譜がよれてしまったり、鍵盤の上を滑ってしまわないかと常に心配していました。
緊張の震えは、体を温めると効果的です。
筋肉が和らいでリラックスできます。
特にピアノは手の冷えや手汗は強敵なので、カイロとハンカチを用意しておくと良いです。
カイロは2つ用意して、両ポケットに入れて手を突っ込むととても温まるのでおすすめです。
衣装の上から上着を着ていても問題はないので、舞台裏までは体を冷やさないようにしておきましょう。
カイロで温めると緊張による汗はおさまり自然と手汗は落ち着きますが、それでもヌルヌル…という方はハンカチやウェットシートで拭いたり、手を洗うと良いですよ。
また、お守りを作ったりするのも一つの方法です。
精神的に支えてくれるものがあると頑張れるという方は試してみてください。
本番を意識した練習をする
準備はしていても、緊張していない方の中にはこれが足りていない方がたくさんいます。
ポイントを3つ順番に解説していきます。
本番をこえたイメージをする
本番で緊張してしまう理由として、会場が練習場所より遥かに広かったり、お客さんがたくさんいて見られていることであがってしまうことがあげられます。
そういう方は、本番のイメージが足りていないのです。
さらに、緊張しないためにはよりオーバーにイメージしておくことが必要です。
実際の会場よりももっと広い場所を頭で思い浮かべましょう。
イメージが付かなかったら、超人気アーティストのライブ映像などを見てみてください。
私は想像力が豊かなためこれが得意なので、「5階席って結構狭いな!」と毎回思っていました。(笑)
「思ったより狭いじゃん」と思ったらもう勝ちです。
そして、会場に何万人と人がいて、その全員が自分に注目しているところを想像しましょう。
席が空いてたら逆にさみしいと思えるようになれば、もう本番で変な緊張はしません。
お辞儀から通して自分だけのリハーサルをする
イメージをしながら、自分だけで本番通りのリハーサルしてみましょう。
その際は舞台裏から出てくるところから、お辞儀をして椅子に座ることまでもやります。
上記のことをイメージしながらです。
椅子が上手く引けなくてもたもたしてしまって、焦って頭真っ白…なんてこともあるかもしれません。
また指揮者がいれば、その指揮者が腕をふって、それを自分が見て合わせるところまで想像してみると、意外と鍵盤が見えてなくて出だしから間違えてしまうこともあります。
ミスがなくなるまで繰り返しこのような予行練習をおこなってみてください。
これが終わったら、家族や友達に見ててもらうなどしてさらに対策をしても良いでしょう。
緊張でできなくなりそうなところをチェック
上記のようにやってみると、リアルにできればできるほど緊張してしまうと思いますが、練習でそれができれば当日の緊張は防ぐことができます。
本番が近づいてきたらこれをして、自分が緊張でできなくなりそうなところを洗い出してみます。
その練習でつまずいたところは本番に緊張したときにつまずきやすいところです。
そこを徹底的につぶしていきましょう。
たとえば、曲の出だしがわからなくなってしまったらその音だけでもいつでも出せるようにしたり、体が固まって力んでしまったら力を抜く練習をして本番前もやってみたり、前述しましたが体に覚えこませて対策をすることが大切です。
もし「本番前にこれは忘れないでおきたい」ということがあれば、メモをして当日チェックできるようにすると、緊張してしまったとしても落ち着いてきますよ。
強気になる
少々マインド的な話も含みますが、決して根性論などではなく、実際に脳や体に関係するようなことをお伝えします。
声に出す
「緊張してきた…」「できない気がする…」と弱気な口に出すと、もっともっとそう思えてきてしまいます。
言霊ですね。
言霊とは言魂とも書き、言葉に宿ると言われている魂や霊的なもののことです。
逆にこれを利用して、強気な言葉を声に出してみると不思議と自信がついてきます。
私は「緊張してる?」と聞かれたら「してるけど楽しみ!」とか言ってみると、緊張をいい方向に変えられましたよ。
胸を張る
震えてしまう時こそ、堂々と胸を張ってみましょう。
そうすると、こわばっていた身体がほぐれてきます。
心の問題もありますが、体の筋肉の関係ですのできちんと効果があります。
ぐっと力を入れるようにしてみるととても良いです。
見せつける気持ちで!
これは少し根性論かもしれません。(笑)
ですが繰り返すと慣れてきて堂々とした演奏ができるようになります。
演奏は、審査員やお客さんに「もーっとアピールしちゃお!」「どんどん見せつけてやる!」と逆に上からいってやるくらいの気持ちでいきましょう。
聴く方も多少なりとも緊張しています。
「どんな人が来てるのかな~?」と顔をじっくり見るくらいの気持ちで臨むと良いですよ。
注意すること
多くの方が「どうすれば緊張しないのか」「緊張したくない」と思ってしまうと思います。
ですが冒頭に言った通り、緊張は悪い事ではありません。
緊張する自分も受け止めて理解する、そして、緊張するのが嫌だと思わないのが大切です。
高ぶりを楽しむくらいがちょうどいいですが、それが無理でもきちんと対策すれば失敗もしません。
失敗したらただの練習不足だと思ってください!
慣れは大きいので、対策を怠らずきちんと取り組んで本番に臨むことを繰り返せば、必ず本番に強くなれます。
まとめ
緊張するかどうかは本当に人それぞれで、それが表れてしまうかというのもまた人によるかと思います。
ですが、緊張しないのではなく緊張を良い方向にもっていくこと、緊張する自分も受け止めて、緊張を嫌だと思わないことが大事です。
そして悪い緊張に勝つ方法は、
- しっかりとした事前準備をする
- 本番を意識した練習をする
- 強気になる
でした。
緊張に勝って演奏を楽しみましょう!